精神は時代の風によって造られる

 

 

うぎゃーーーー

発狂しそう。

 

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先月から入院している祖母が来月に帰ってくる。それはもちろん嬉しいんだけど、向かい入れるために物の整理が必要で、階段下の棚を空ける必要があった。

 

さて戦いがはじまる!!

 

普段開けることのないその棚に大切なものが入っているとは到底思えなかったのだが、開けてみて、案の定だった。キムチの空きケースや古いタッパーなんかが山ほど出てきた。

 

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泣きそう。

いいんだ。こんなことでへこたれる私じゃないんだ。こんなものはお手のものだ。幾度となく味わってきたこの感じ。絶望。途方もなさ。言語化しよう。これは例えていうなら高熱を出した時に見る夢によく似ています。

 

幼い頃、インフルエンザで高熱を出したときによく見た夢のパターンは、たとえば家より大きな羽布団を買ってきちゃって、「どうしよう、家の中に入れられない!返品もできない!」とひとりで困っちゃう夢とか、爪楊枝だけで船(何十人が乗れる大きな船!)を作らなきゃいけない!とかいう、「絶対的絶望」の淵に立たされるという夢でした。家の階段下の棚を開けるとタッパーが山ほど出てきた今日、その夢の感じによく似ているなーと思いました。(高熱のときに見る夢に関して、お母さんも小さい頃「大きな布団を買っちゃう夢を見た!」と言っていたので不思議です。妙なシンクロ。)

 

 

 

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しかしよくだよなぁ。叔母の学生時代の吹奏楽部の楽譜とかが出てきた。戸棚よ、君は今まで何をそんなに一生懸命に保管してきたんだ。健気だなぁ。なんか戸棚に同情してしまった。こういうモノを溜め込む「昭和気質」の我が家と戦う私も健気である。

 

「私は私の意思によって何かを変えられる、どうにかなる、私はできる!!!!」という自信が私の根底にあるのは、実はこのような絶望的な作業を何度となく乗り越えてきているからのように思います。家の整理、これは精神修行なのです。誇張でなく。

 

 

 

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例によっておばあちゃんのメモ書きが出てくる。「真のエレガンスとはくつろぎである。」

 

 

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はァ…。よく言うよ。

 

 

 

 

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それにしてもおばあちゃんのメモ癖って筋金入りだったんだね。思想が昔から全く変わっていないのもウケる。つらぬくなぁ。

 

 

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おっとこんなのが出てきた!!ラッキィ!こういうのが出てくると途端に作業の手が止まって読み込んでしまうのですが、別に読んでもいいよね。私は叔母たちが残していったものをこうして何度も片付けてるんだから、多少のプライベートを覗くことは別に許される。

 

 

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「おもしろいぞー。」と前もって宣言されたピンクレディノートはたいして面白くはなかったけど、いやぁ、それにしても去年見つけた、転校していく叔母に向けられたクラスメイトたちの文集には笑わされた。

 

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これはほんとに傑作だった。

 

 

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引き続き棚を漁ると、紙がもう風化しちゃってるようなむかーしむかーーしの雑誌が出てきて、読んでみたのだけどこれが謎。何やら、都内にあるバーの客の年齢層、男女比などを統計した情報が記されている。これがバブリィ、ってやつか?

 

 

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うーんなかなか。興味そそられるビジュアルだなぁ。読まないわけにはいかないじゃん。

 

25万人が2日で集まってしまうコミケ! グワワ〜ン スゲー人の数! しかもHな内容の同人誌がやっぱ売れてるやんけ。っつーことは来場している人の数だけHな妄想に溢れかえっているっていうわけか、と思った時、いや〜人の業ってやつは深いもんだと思いました。

今はやっぱり巨大胸にカワイー顔に、目の下に赤い線に下半身リアル。うーんよくわからんがこの目の下赤い3本先が問題らしい。

にしても北斎の描くところの枕絵においては女性も男性も生殖器がどーんと極端にデフォルメされていてかなり笑ってしまうが、コミケ系H画は逆にリアル! 体型をディフォルメしているため、これも遠い未来笑える絵になっているんでしょうが、今はやっぱと、笑うことよりもビーンと来てしまうんでしょう。ということは北斎の絵にも当時の殿方及び姫方はジュジューンと来てたのか……    え〜マジデ〜!?

 

よ、読ませるなぁ。思わず読み耽ってしまったじゃないか。タッパーの山に囲まれて何やってんだ私。言っとくけどこれはポルノ雑誌ではない。普通のシティーマガジンです!そこでこういうこと言ってるからすごい。

 

しかしうーん、なんというか。精神に吹く風が、文体が、もう昭和のそれというか、この文章を書いた本人が令和を生きたとしても絶対にこの文章を書くことはないという感じがする。ならばそうか、「思想」が「時代」を作ってんじゃなくて、「時代」が「思想」を作ってるのではないか?

 

じゃあ私の思想も、決して「私のもの」じゃなくて「時代のもの」なんだなぁ、とかぼんやりと思う。そうか、令和の風によって造られているのだ、私たちの精神は。

 

 

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今回掲載した写真を各一名様にプレゼント致します。ロフトへの思いを書いて、ハガキで御応募下さい。尚、どの写真が欲しいかは、自分なりの方法で表現してみて下さい。

 

うーん、なんか。時代の風か。

 

 

 

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しんと静まり返った森。清々しい音を立てて流れる川のせせらぎ、遠くで聞こえてくる鳥の声。森閑としたそののどかな静けさは、気の抜けた笑い声によって破られる。この笑い声の主は童女のような表情しながらマンゴーでオナニーしまくり、そして叫ぶ。「マンゴォォォ」

 

すごい。こんなに腐った文章は久しぶりに読んだ。これは時代の風うんぬんの話ではない気がするが。

 

 

 

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なんでこんな雑誌わざわざとっといたんだろう?と思って表紙を見てみると、ゲッ!!私の叔母じゃん!!(←昭和の文体にもう影響させられている笑)叔母さんは一時期、東京でモデルとか女優みたいなことをやっていた。これはさすがに捨てない方がいいよなぁ。まあ、今日は昭和の風を浴びれてよかったよ!!

 

 

▼雑誌の中で絶賛されていたCM。

 

 

 

さて戸棚からは「うちゃぁスプーン屋なのか⁈」と思わず叫ぶほどの大量のスプーン、「うちゃ水筒屋か⁈」の大量の水筒などと格闘し、また謎の液体などもたくさん出てきた。

 

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リメインウォーターZ。「意気揚揚」なのはいいけど、意気揚々として買った割にまだ未開封じゃねーか。

 

 

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未開封なら案外飲めるんじゃないか⁈と思って賞味期限を見やると2001年。うーん微妙だなぁ。やめとくか。前、賞味期限が5年切れた蒟蒻畑のゼリーを食べて大変なことになったことがあり、それからは賞味期限には特に注意してるんだ。みんなも気をつけてね。ちなみに前に1994年のブルーベリージャムが出てきたけど、これは食べれたよ!自分の年齢と同じ年月を越えたものを食べるのはなんかロマンチックだったよ。

 

 

 

にしても怪しげな飲み物だなぁ。何が入ってるんだ?

 

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えーんこわい😭

 

 

 

 

 

 

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こうしてなんどもモノを整理して思うことは、モノが豊かさである時代は完全に終わったということ。そして私たちはモノゆえに「お金」だけでなく「時間」まで奪われてんだ、ということ。これを誰よりも身に染みて感じている私は大丈夫、そんな時代に後戻りすることは絶対にない。

 

庭から花を持ってきて空き瓶に刺して、それに光が差し込む姿を見ているだけで幸せと感じれる感性を私は持っているから、これは紛れもない、だれにも奪い得ない「豊かさ」です。だから私はフリーターだけど、大丈夫なんだ。いつだって。この先もずっと。

 

こうして私の生きる力は培われる。

 

 

 

 

▼関連で面白い動画見つけました。そうか、私たちはいつだっていつかの非常識を生きるんだなぁ、などと。

 

 

 

 

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