「お金」に対する今の考え方。日本はほんとに貧しいのか?

 

 

今日も今日とて飽きもせずYouTubeに無駄な時間を費やしている。んで、ついこんなのを見てしまった。

 

 

 

今の日本の平均年収って30年間変わってないんだよ。やばくない?でもじゃあ30年前と今物価同じかって言ったら同じじゃないじゃん。物価は上がり続けてる、でも給料上がってない。こんなのみんな貯金できるわけないじゃん。今の現状がそうだと知ること、その上でどうやったらお金を作ったらいいんだろうって、もう少しお金についてに知識を取り入れる必要があるかもしれない。これからの時代生き抜くためには。

 

 

うさんくさ

いやいや。コホン。改め。

 

今やネットを開けば目にしない日のない「投資」「金融リテラシー」「資産運用」。日本はどんどん貧乏になっていって、老後の生活も危ういから、君たちしっかり勉強すること!自衛すること!という感じの脅し文句が溢れている。

 

僭越ながら私の「お金」に対する考えを言いますと、「あんまり心配してません」です。一応、国民年金は払い、貯金通帳にはあるラインまでのお金は常に入っているようにする、ということは気をつけているけど、それだけです。積み立てNisaとかiDecoくらいはやった方がいいのかもしれないけど、正直なところ「どーでもいい」というのが本音である。(あとめんどくさい)

 

上の動画の女の人は「日本は貧しくなっていく」的なことを言ったけど、そもそも日本が貧しくなってくことと、「お金を確保する」ことがどうして繋がるんだろう?とか思う。物資もお金も共有するのはだいたい日本人じゃん。なのになんでお金を奪い合うんだ?そもそも「豊かさ」と「お金」は同義か?個人レベルで見たらそれでいいかもしれないけど、全体で見たら、みんなが金融リテラシーを高め、資産運用し「損しないように、損しないように」とちまちまお金をいじくりまわしてたって、そんなのは「豊かさ」を実際に生み出すわけがないと思うんだけど…。

それに「お金を増やそうとする」投資って、なーんか、どこかにしわ寄せが行くだけの気がするんだよなぁ。誰かが得をするということは、必ず誰かが損するということでしょ?

 

たとえば「貧困に備えて、みんなで農業の勉強をして、より効率よく作物を育てよう!」「効率のよい発電の仕方を開発しよう!」なら分かる。それが生み出すものは「実体」であって、目に見える豊かさで、実際に私たちの身体を温めるエネルギーであるから。でもお金は「実存しないもの」だ。お金は食べ物や住居といった実体価値と交換できる権利であって、つまりお金は実体ではなく「概念」である。だから「豊かさ」そのものではない…んじゃないだろーか。ちがうかなぁ?わからん。

 

しかし街のカフェに行けば、誰かが誰かを投資ビジネスに勧誘しているのをよく見かける。私も郵便局や銀行ではよく投資商品を紹介される。口を揃えて「将来のために!」と。でも彼らは一体、何のメリットがあって誰かを説得してるんだろう?とか思ってぞっとしたり。

みんなが貯金して「動かないお金」をたくさん作ってしまうより、お金を世の中で回した方がいいから「投資しろ」、というのは頷けるけど、、だいたいの動機は「得する」ことだよなぁ。

うーん、感覚的にばっかしゃべってるので、もっと勉強したほうがいい気もする。

 

 

さっきの動画を見て一番引っかかったのが「この国では給料は変わってないのに物価が上がっている」というセリフ。これがどーにも納得いかない。この人は「日本はどんどん貧しくなるからね」っていうけど、それは嘘だと思う。

 

だって!ほんとだったら年間600万トンの食品ロスが出てるはずがない(廃棄量でいうと2000万トン!)。年間31億着も服を捨てるはずがない。私たちは確かにモノに溢れていて、「豊か」である。確かに日本の経済成長は終わって、この先人口が減っていくけど、それを「貧しさ」と呼ぶなら、そもそも「豊かさ」の解釈を間違えていたんじゃないだろーか。

まぁ、こーゆー違和感は誰もが抱いていると思うけど、私はうまく言語化できないでいた。しかし最近、このモヤモヤを見事に形にしてくれたYouTube動画に出会った!評論家の岡田斗司夫さんのとある生放送。

 

大正時代の日本とかそうなんだよね。お父さん1人働いて大家族養ってじいやばあや養って、お手伝いさん養って運転手さん養ってっていうふうに、1人稼ぐことで15人〜20人食ってたんだよな。それが『ALWAYS 三丁目の夕日』の時代では1人稼いでそれで4〜5人食ってるじゃん。それで『サザエさん』の時代になると2人働いて7人食ってるじゃん、それがちびまる子ちゃんの時代になりドラえもん、クレヨンしんちゃんと、現代になればなるほど1人が働いて食える人数が減っていくんだよ

つまり日本ていうのは経済発展をしているように見せかけて、実は生活が恐ろしく貧しくなっていくというのがこの国の実相なんだ

でこの国が貧しくなったっていうのはたかだかこの10年20年バブルが弾けたからって言うのではないんだ。それは僕たちが個別に生活しようとしだしたということ。だってそうだよな。僕らが「豊か」って感じるのは何かと言うと、一家4人で見ていたテレビをバラバラに住んで一人1台持つって言ってんだから、そりゃ経済発展するわな。

だから僕たちの経済発展というのは生活の難易度をどんどん上げていって、それを何とか達成させようという欲望エンジンを全員に回させて、「こうやってるのが一人前」という欲望のしっぽをガッチリ掴ませて、何とか回ってたんだけど、もうこんなのは限界なんだよ。いま1人で働いて1人で食える人間が、結婚したら生きていけるか考えちゃってる時代だろ。つまり2人が働いて2人が食えない状況になってるんだ。

 

 

これが「豊かさ」を捉え違えたことによる結果じゃないのか?それにしても…この動画は本当に面白かった。すごく笑った。観ることに罪悪感覚えるようなタイトルだけど(笑)、未来に向けてのお金のあり方・人間関係の作り方をよく語ってくれている動画なのでオススメ。悟空はチチ(妻)のヒモであるとか、ルフィが金品奪ってるの見たことがないからあいつはニートだとかいうあたりは爆笑モノなので、ぜひ見てほしい。

 

 

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ところで最近、母に勧められてこの小説を読んでいる。パール・バックの『大地』(冒頭30pでもう泣いた)。

ここにある、中世の中国の生活様式の描写には本当に驚かされる。かつての日本がそうであったように、彼らは大地と共に暮らしていた。一日中汗をダクダクかいて畑を耕す。とうもろこし1粒でも無駄にしない。不作年の冬には涙を流しながら自分の家の牛を殺す。大地がそのまま自分たちの肉体であったし、その大地が実らす麦や豆を売って得た銀貨は、彼らの命そのものだった。

これを読んでしまった今、現代の暮らしが豊かではないとは私の口からは今後絶対に言えなくなった。むしろ現代が異常なんじゃないかとも思う。夜道を照らす街灯がどこにでもあり、服をどんどん捨てたり、いつでもどこでもどの季節の食べ物も手に入る、この国が豊かでないと、だれがいえよう?「豊か」?うーん、物質的に。

 

 

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この本では翻って「文明人は未開人より貧しい」と主張している。ソローの『森の生活』。ウォールデンの森で家を自作し生活した筆者の体験談である。彼は生活の中で、現代の「家」はその本来の機能を超えて、広すぎたり装飾されすぎていたり、モノがいっぱいありすぎることに気付いた。現代人はその欲望を満たすこととそのための支払いにあまりにも振り回され、精神的にはむしろ退化しているという。だから現代人を「哀れだ」と彼は痛烈に批判している。

「モノ、モノ」「もっと、もっと」と歯止めが効かない現代人。そんな中で日本の未来を「貧しい」と感じる理由がここにあるような気がする。

 

諸国民は建築物によってではなく、抽象的思考能力によってこそ、その名を後世に伝えようとすべきではあるまいか?

塔や寺院は王侯の奢りである。

諸国民は槌をふるった大量の石材を残すことによって、その名を永遠にとどめようという、狂気じみた野心に取りつかれている。それだけの労力があるなら、それを彼ら自身の態度物腰の洗練にふり向けたらどうだろうか?

人生の真の目的からはるかに逸脱してしまった百の城門をそなえたテーベの都よりも、正直な人間の畑を囲む1ロットの石垣の方が、よほど良識にかなっている。

ピラミッドについては、おどろくべき点など全くない。ある間抜けな野心家の墓を築くために、あれほど多くの人間が一生を棒にふるほど堕落していた、という事実のほうがはるかに大きな驚きである。ああいう手合いはナイル川に放り込んで溺死させ、死骸を犬にでも食わせてやったほうが、賢明な男らしいやり方だったろう。

ーソロー『森の生活(上)』より一部略

 

フランス人特有のブラックユーモアというべきか(笑)、筆者は終始口が悪い。もはやコメディ本である。

 

 

で、やっぱり、ウォールデンの森で暮らしたソローが、積み立てニーサなんてやらないと思うんだよなぁ。うーむ。わからん。はっきりしない終わり方をしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5件のコメント

いで子とか兄さん?とか、言葉しか聞いたことのない、経済音痴のおばさんです。
夫にドコの大学でナニ勉強してきたんだよ!とか言われます。

一部だけが得をするとか儲けたもん勝ちとか、競争社会についていけません。
首をながーーーくして共産主義社会の到来を待ち望んでいるというのに
夫からは
お金が服着て歩いてるが如く、資本主義の申し子だの女トランプ(前)大統領だと指摘されます。

ニートという言葉が日本でよく耳にするようになった以前の古い本だと思いますが
「くたばれ!専業主婦」というのがありましてね。。。
出版当時話題になったそうですが、私が知ったのは5年以上過ぎていた
丁度「永久就職」(死語?)を決めた頃でした。
んで
乳飲み子でもいない限り専業主婦はニートだわーと思いつつ、専業主婦やっております。ハイ。

夫から「働いたら負けだと思ってるでしょw」と言われることもあります。
共働きでも、まだまだ妻のほうが家事労働のほとんどを担う家庭が圧倒的に多い現状がありますね。
我が夫は性格的に協力してくれそうですが、なにぶんシゴトが粗い。杜撰。
食洗機導入前、たまーに食器洗いをかって出てくれることがありましたが
あとで私が洗い直すことは少なくなかった。
洗濯物もシワシワのまま干すし、なるべく乾きやすいように面を出すとか考えてくれない。
料理の味は濃くて辛くて、決してまずくはないけど食べられない。

結局私がやらざるをえないというか
自分でやらなきゃ気が済まない性分でして、
夫婦で家事分担できないなら専業主婦で!と相成りました。
変なところでフェミニスト(?)。

しかし、現状主婦業まともにこなせておらず
夫に寄生虫呼ばわりされる始末w
「一生とりついてやるーぃ」と言い返す暮らしでござい。。。

これはまたQたろさん節を…笑いました。いで子と兄さんはいいですねぇ!「専業主婦」ですか。あんまり考えたことなかったのですが、私の叔母も2人とも専業主婦です。「私が中途半端に働いて家庭のことが粗末になるよりも、家事に集中した方が結局家庭が潤うのよ」的なことを言っていまして、確かにそういうこともあるかぁ、と思いました。ともかく、働くってなにもお金を稼ぐだけじゃないとは思います。岡田斗司夫さんの動画ぜひ見てみてください笑「ニートでいい10の理由」を論理的に説明してくれています。夏野菜が終わり畑は悲惨な状態でお見せできませんが泣、鶏ちゃんをまた見に来てくださいね^ ^

こんばんは いい本読んでますね 大地も読んでみます。
あとYouTube見ましたが、私も数年前までは地味ながらナンパしていました。その時は必ず女性の方に嫌な思いさせないようにと心に言いかけてから声かけしていました。
経験上いうと、その男性は勇気を出して声をかけたが、その先が言い出せなかったかなんて言えばいいかわからなかった。またはこの方はちょっと違うかなぁと思ったかとか相手が嫌そうにしてるのがわかったからとかですね。
ナンパできる勇気があるならどんなことがあってもやっていけるとおっしゃってましたが、ちょうど色々メンタル面で悩んでいたので、なんだか気持ちが楽になりました。ありがとうございました

こんにちはつーさんさん^ ^ ナンパ経験者のお言葉、たいへん貴重です。うーん、たしかに、早く家帰って鶏を中入れてご飯食べたいな、って顔してたのがバレたかもしれませんね。ナンパができる方は間違いなく勇気があると思いますよ!いくら慣れてはいても、必ず「初めて」の瞬間があったんですから、尊敬に値することです。気になった人に声をかける、こんなに当たり前の動機はなかなかないのに、実行するのはなんと難しいことか。ベルギーに住んでいる従兄弟に言わせてみると「ナンパなんて当たり前」だそうですが。
本のご紹介ありがとうございます!大原へんりさんのは読んだことがあります!東京で隠居してる方ですよね。方丈記は冒頭部分しか知らないので、一度ちゃんと読んでみるのもいいかもしれません。諸行無常の価値観は日本人が本来持ち合わせていたものなので、ミニマリスト的生活って現代においても日本人と相性がいいかもしれませんね。

先程のつけたし
フキさんの記事を読んでオススメの本があります
鴨長明 方丈記(角川ビギナーズクラシックシリーズの方)

大原へんり
年収90万円でハッピーライフ

貧乏化が進むかはわかりませんが、昔みたいにお金を稼ぐ ではなく お金などに価値を置かないのんびりスローライフに時代が進んでいきそうな気がします

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