タイトルの通りです。
私は現在、実家で祖母と父と3人で暮らしている。
夕飯終わりのまったりした時間など、2階の寒い自分の部屋に上がるのも億劫だなーとか思っている時間帯。私は台所の椅子に座って本を読んでいたりする。
いま読んでいるのはパール・バックの『大地』第3巻。(やっと3巻まで来た…!)一度読めばたちまち惹き込まれる物語。軍隊を率いて各地で戦を起こし、どんどん領地を広げていく王虎(ワンフー)。彼は自分の意志を一人息子の王淵(ワンユェン)に引き継がせようとする。王虎は王淵を丁重に大切に育て、自分の望みの一切を彼に託す。けれど王淵は父の束縛から逃れたいと思う。そして彼は成長するにつれて自分の宿命に気付いていった。彼の生きる道は戦ではなく、「土」にあるのだと。彼は将軍よりも、ほんの一介の農民になりたかった。
父・王虎のもとを去る王淵
王淵の、自分の天命に気付く瞬間は、それはそれは美しい。馬に乗って田畑を駆け回ったり、初めて裸足で大地を踏みしめるとき、彼は湧き上がるほどの「生きる喜び」を感じる。住んだこともない小さな土の家に、魂のふるさとを感じる。ここで生きていきたいと思う。不思議だ。周りから求められるよりも先に、自分の魂が自分の生き方を知っているのだ。
ああ、素晴らしい物語。。
うっとりするほど素敵な本だ。
「ねー、これさ、8時から観ればよかった」
…は?
祖母「8時から観ればよかったんだけど。ほら、渋沢栄一のドラマ。だけど気付くのが遅くて途中から観ちゃったんだけど。8時から観ればよかった」
はぁ、、
……で??なに??!!
わざわざ本を読んでるのを中断させてまで私に言ってんの、それ?!!!
祖母「まぁ、これもあれよね。むかし、三好さんてのがいてね、松郷の境の(祖母の若かりし頃の地元の土地?)。娘があれなのよね、若いときにスキーで怪我して頭打って…」
ぷちっ
私「え?私に話しかけてるの?」
祖母「そうだよ」
私「いま本読んでるのに?」
祖母「…はい。分かりました」
メラメラメラッ…!!!!頭に血が昇るッ!!!!
怒りの炎が静かに燃え盛るようす
こう、本を読んでいる人に話しかけてしまう無神経さを持ち合わせているのは、私の家系では女性に圧倒的に多い。女/男で区別するのも乱暴だと思うけど、私の家族の統計上どうしてもそうなのだ。どのくらいかって、100% : 0%(←オイ私も入ってる笑)
だからこういうことがある度に思うのだ。「ぜってー女とは結婚しない!!!!」と。我を失って本気で心に誓う。
ここで「おめーも女だろ」っていうツッコミはしてもらわなきゃいけないんだけど(笑)
でも、本を読んでいる最中にそれを中断させられる(しかもどうでもいい用事で)、無理矢理心の中を侵害させられる、あのストレスは半端なものじゃない。本を読めば分かるはずなんだけど、質問をされたり話しかけられたらその応答をしている最中だけ本から意識を離せばいいってもんじゃなくて、一度集中力を切断されるとまた元の集中ゾーンに戻るのに時間がかかる。会話が終わり、さて本を読もうとするも、それに、話しかけられて「イラッ」とした脳波が、いつまでも残像のように残る。
何より怖いのはこれが「毎日」起こるということだ。
本読んでる=暇だとでも思ってるんだろうか?知らないのか?こうしておとなしく本を読んでても、頭の中は中国の大地を駆け巡っていたりすることを。体はここにいても魂はもっと神秘的で偉大なところにいたりすることを。
致命的だ…!
本を読んでいる最中にひっきりなしに話しかけられるというストレスは、文字通り致命的なことだ。しらんけど、こんなことが夫婦間で起こったら離婚事由としても十分成立するんじゃないかと思う。しらんけど(笑)
以前、何の番組か、ラジオだったか、誰が言っていたかさっぱり思い出せないんだけど(美輪明宏さんの人生相談とか、そういう類の番組…)、印象に残っている場面がある。
こーゆーやつ。これじゃないけど。
ある男性から
本を読んでいる最中に妻に話しかけられるとイライラしてしまいます。僕の器が狭いのでしょうか?
というような相談があった。そしてそれに対して、
男性が本を読んでいる最中に話しかけるのはいけません。悪しきことですよ。いけません。絶対にしてはいけないことです。
という回答がされていた。詳細は忘れちゃったんだけど、とにかく「いけません」の一言で。ああそうだよな、よく分かるなこの人、うん、そりゃそうだよな。と思って、なんだかあのシーンが深く脳裏に焼き付いているのだ。
てなわけで、別に言いたいことはないのだけど、本を読んでいる最中におばあちゃんに話しかけられるたびに、「私はぜってー無神経な女とは結婚しない」と思うのだ。おばあちゃん=「女全員」、とするなとは思うけど。いや、それ以前に私も女だから逃れようもないってゆー話。きおつけよう。
おわり
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