いろいろ考えた。
就活せずに大学を卒業し、人間の幸せについて考え、ヨーロッパに行き、人々の生活を見て、環境問題について考えた。
お金の意味を考えて、人はどう生きればいいかを考えて、正しいこと、楽しいこと、幸せであることを考えた。
今までいろいろ考えて、近ごろ、ぜ〜〜〜んぶの思考がおんなじところ終着した。究極の結論。
わたしたちはお金を使わずに幸せにならなければいけない時代が来たのかもしれない。
生きていくための条件って何?
幸せに生きたい。そんなの当たり前。
生きるのにはお金が必要。そんなの、あったり前!!
生きていくにはお金を使わなければいけなくて、私たちが生きる上で避けては通れないのは、「お金を稼ぐ」ということ。「幸せ=お金」とは思ってないけれど、お金は幸せの必要最低条件だ。たぶん。
お金が無ければ、何もできないじゃん。どこにもいけないじゃん。何も食べられないじゃん。
ということで、「幸せに生きる」一歩として、じゃあまずお金を稼ごう。お金を稼ぐ術を身につけよう。仕事を探そう。私は大学卒業後、生活のため、旅行の資金のために色んなアルバイトをしてきた。
・カフェ
・カレー屋さん
・旅館
・りんご農園
・プリンターの修理工場
・ホテル
・在宅のライティング…
でも、働くことってたいがいが我慢だった。
まして特別な技能を持ち合わせていない私にとって、働くこととは時間とお金を交換することで、私は幸せとはいえなかった。となると…
不幸せ→お金→幸せ
あれ?これが幸せの方程式?へーんなの。おかしいな。
ということで、もっと「好きなこと」でお金を稼げたらいいなあと色々挑戦もしてきたのですが、最近になって、「ちょっと待てよ」と思うようになった。
つまり、幸せとお金の関係性について。
そもそも、お金と幸せって、必ずしもセットで考えなきゃいけないものなのか?!と。。。
いや、お金は大事だって知ってるし、今でもそのことに異論はないんだけれど、ちょっと私の話を聞いてほしい。
「お金」の姿を見た体験
これは、去年の冬のこと。私はある旅館で住み込みで働いていた。
その旅館は一泊2〜3万円ほどする、いわゆる高級旅館で、おもてなし、料理、温泉、すべてがハイクオリティな素晴らしい旅館だった。
仲居さん、料理人、フロント係にお掃除さん…。本当に多くの人が働いていて、そんな人たち総出で最高のおもてなしを作り出す。
フロントで働いていた私は、お客様の出す、高額の宿泊料金を手にする度に、「ああ、ここではすごくお金が動いている…」としみじみと思ったものです。
お金の動く場所。
労働機会の生まれるところ。
そんなものを直に体験した気がした。
しかし…
これは去年の元旦のこと。その旅館の最繁忙期は年末年始であり、その日は絶賛・満室、スタッフ総動員で超・バタバタ騒ぎだった!
私も、フロント業務が終わると夜は厨房でお皿洗い。仲居さんが下膳してくるお皿から、残飯を捨てて食器を洗う。
その日はお正月の特別メニューのため、大きな鯛の塩焼きがメインディッシュとして出されていた。その鯛はもちろん残飯として返されてくるのだが…
ほとんど鯛まるまる一匹!
…あれ?なにこれ?
食べきれないほどの料理を提供するのがおもてなしの一種だって分かるけど、鯛の死体が山のように積まれるこれは、一体なんなんだ?
そして翌日。午前中のお掃除がひと段落してみんなでお昼ご飯を食べているとき。女将さんとお掃除のリーダーの田中さんが現れた。田中さんはなぜか泣いている。
話を聞くとその日、田中さんは、いつものメンバーではとても終わらない数の部屋数を掃除しなければいけなくて、必死でみんなを取りまとめていた。
しかしみんなに疲れと不満は溜まっていて、メンバーの数人が思わず田中さんの悪口を言っていたところを、偶然本人にも聞こえてしまっていたらしいのだ。
いじめとかそういうものが普段あったわけではない。ただその日は、みんなが忙しすぎて、少しずつ心の余裕がなくって、それが溜まった結果だった。
ギスギス。
みんながストレス。
ヘトヘトになって作り出すおもてなし。
ここで何が起こっているか。
ヘトヘトになりながら、こなしきれないほど多くの部屋を掃除し、お皿を下げ、かたやそのおもてなしの結果として次々にザルに捨てられていく、鯛の山。
一連の行動が生み出す“お金の流れ”。
だれかのストレスと涙が生み出す経済活動。
何かが失われることで回るお金。
一体何が起こっているのか。
私はその構図を思い出すと、今でも腹が立ってくる。
この違和感を感じたのは、この旅館で働いているときに限らなかった。
カレー屋さんやカフェでは大量のゴミと残飯が出ていた。大量の温水や洗剤が使用されていた。
持ち帰りメニューを注文される度に消費されるプラスチックのカップ、スプーン。ホテルで働いていたとき、朝のバイキング後に見た残飯処理の光景なんて、悲惨そのものだった。
そもそも、お客さんも働きに来る人も、そこに来るまでにガソリンを使って移動してきているのだから、もろに資源が失われているよね。
つまり、私が多く目にした経済活動の現場では、お金が消費される時、失われるものはお金だけじゃなかった。同時にほかの何かが損なわれていた。
(私は誰のことも批判しているのではないけれど、お金を回すために何かが失われるこの事実に驚いている!お金は循環するのにね。とってもへんだ。)
お金ってヘンなの!
よく考えると、お金をたくさん稼いで消費することで得られる幸せって、大きなスケールで見たとき、社会にとってマイナスになってない?
だって、
我慢してお金を稼いで(−)
お金を使って幸せを得る(+)
その時、環境や資源が損なわれる(−)
これが、経済活動の構造?豊かさとは果たして本当に、お金がたくさん動くこと?たぶん、何かがすごく間違っている。私は、こんなのが、豊かさの正しい形とは思えなかった。
働くことがイコール経済活動に加担することならば、誰もが週に最低限の日数だけ働いて最低限のお金を得て細々暮らして、あとは家でじっとしていた方が地球に、人に優しくないか?
極端な話(笑)
でも実は真剣にそのことを考え始めてる私がいる。
つまり、何かを犠牲とせずに幸せを得る方法はあるの?ということ。(私は定職に就いていないので、なおさらお金を使えないって面もありますが笑)
消費税はいよいよ10%になったのも、私の思考に拍車をかけている。ほら、100円の幸せを得るために110円が必要ななんだって。ふーん。
そして環境問題。
持続可能な暮らしをしていくのにはco2の排出削減はじめ、資源を消費しないことが第一前提なのに、消費することでしか経済活動ができないのが今の社会。(…わお、もんのすっごい、強烈に、矛盾している。)
環境問題が叫ばれるようになったことにより、今の社会の大きな矛盾と不都合が浮き彫りになっている気がするけれど、
きっと誰もが抱える、「何かがおかしい」ってこの感覚のほとんどが、辿ってみれば行きすぎた資本主義社会に原因があるのだろうなあ。。
経済を回すことが国が豊かにすること?人々を幸せにすること?とーんでもない!人が一人一人幸せであるには、一人一人がまず幸せであることが大切でしょう。当たり前だけど。
じゃあ、私にできることは?
その原点に帰って、じゃあ、社会のシステムが変わるのを待つ前に、私が今すぐにできることはなんだろう?って考え始めた。
シンプルな話、まずはお金を使わずに得られる幸せに、どれだけ敏感になれるかということ。なんだと思うけど…
それにはどうしたらいいかな?
私にもよく分からない。
それが私がこれから追及していく課題の一つなんだと思う。
でも実はそのヒントは、今年4月に行ったアイルランドでのファームステイ体験がすでに握っていると感じている。(…私にとっては。)
過去のブログでも書いている通り、あの家での経験はものすごいものだった。
(詳しくはこちらの記事より↓)
そこでは、流れている時間が違った。
愛の総量が違った。
生きている喜びそのものの質が違った。
なーんだ。こんなにシンプルなことでよかったんだ。いろんなものの解決策が。生きることが。「幸せ」が。
って、すごく嬉しかった。
うーん。そっか。
たとえば風の匂い。人との語らい。
一輪の花を刺したコップの、水に光が反射するところ。
できるだけ物を買わないで、今あるものを大切に使うこと。
夢を持つこと。想像すること。
リラックスして生きること。
生きてることそのものが嬉しいということ。
そういうことなのかな。
具体的には分からない。
でもそれは、“質素”な生活なんかじゃなくて、“退化”じゃなくて、豊かになりすぎた私たちの、最先端の「幸せ」のかたちであると思う。
私はここで、日本で、いちばん素直な「豊かさ」のあり方を見つけたい。
リラックスして生きたい。
時間をたっぷり味わって生きたい。
そこに必要なのは、本当は「お金」じゃなくて「命」そのものなんだと、そこに気付かなければならない時代が来たのだと感じる。
あわよくば、何も損なうことなく幸せが循環できる世界へ。
お金を介さずに豊かさを交換できる世界。
お金の心配をせずに、生きてることそのものの喜びだけを感じながら生きれる世界。
なにも損なうことなく、しあわせな命が続いていける世界。
そこにはどんな景色が広がっているだろう。
画像:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)@カズキヒロより
以上、長いひとり言でした。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
またブログに遊びに来てくださいね^_^
最後に、私の好きな言葉。
*・゜゚・*:.。..。.:*・’・*:.。. .。.:*・゜゚・*
土に根を下ろし、
風と共に生きよう。
種と共に冬を越え、
鳥と共に春をうたおう…。
どんなに恐ろしい武器を持っても、
たくさんのかわいそうなロボットを操っても、
土から離れては、生きられないのよ!
ー『天空の城ラピュタ』より
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