シナモンパンへ愛を捧ぐ。アドベンチャータイムとジャルジャルに共通する美学

 

 

私が一番すきなアニメは『アドベンチャータイム』です。漫画家になりたいと思うようになったのも、実はこのアニメと出会ったことがきっかけです。

 

 

Youtubeで公開されているのを見て分かるようにこのアニメはシュール・カオスそのもの、第一話のしょっぱなから何の説明もなしに「パジャマパーティ〜〜〜!!」といってお菓子のお城でパーティーが繰り広げられゾンビが襲ってきます。舞台の説明とか、主人公が誰だとか、何もありません。

 

 

そして物語に継続性はありません。たとえば突拍子もなく主人公が海に浮かんでるシーンから話が始まったりして、しかしそれがゆくゆく20話あとの続きのシーンだった!ということもよくあって、この訳のわからなさ、ギャグのくだらなさ、しかしそこに何か意味があるのでは…?何か、この物語から受け取れるメッセージが隠されているのでは?と予感させられる、この調子が良いのです。そして舞台の描写が美しい。

 

 

 

さてこのアニメの登場人物はみな変わっていて、よってそこに「こっちの方が変わった奴」「こっちの方がヤバイ奴」とかはありません。みんなお互いに放っておいている、というか心の深いところではお互いに交わらないのですが笑、そんな世界で唯一「異端児」に近い者として扱われているのがシナモンパンというキャラクターです。

 

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純粋無垢、そしてちょっと知能が低い(?)彼は、「みてーー!みんな!宙返りするよーー!」とか意味のわからない行動を取っちゃうんですが、彼の言動ってあまりにも突拍子がないしその場の雰囲気にもそぐわないので、みんなは陰で、「アイツって、ちょっとズレてる。」と囁きます。みんながズレてる世界観で、彼だけが違う方向にズレちゃうんです。意図せず。そして周りに彼に寄り添える人はいません。

 

 

このアニメの主人公はフィンという人間の男の子で、彼は人からの信頼も厚く、勇敢で心優しい子です。

 

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フィンはファイヤー王国のプリンセス、フレイムという女の子と付き合っていました。しかしこのプリンセス、今まで人里に降りたことがなく、人との交流の仕方をあまり知りません。フィンとのデート中も、遊び方が分からなかったり、ノリが分からずつまらない素振りを見せたりで、彼を困惑させてしまいます。コミニュケーション上手なフィンでさえ彼女と心通じ合うことは結局できず、すれ違いが重なってやがて2人は別れることとなります。

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そんな中。ふとしたことからフレイムプリンセスシナモンパンが出会うこととなります!

 

ちょっとずつズレてる2人。誰とも心を通わすことのできなかった2人。その2人が、話していると、

「不思議、あなたと話していると、なんか落ち着く。」

 

 

どこか通い合ってしまうのです。それは、バチリと、静かに火の粉が舞うような、2人の人生にとって、とても意味のある出会いとなりました。

 

 

 

これがアドベンチャータイムの中にある一種の美学です。変人を変と扱わない。ズレてる人にもちゃんと物語があり、「世界」が用意されている。

 

 

 

 

さてこの「ズレ」とは、コンビ芸人ジャルジャルの笑いにも通じたところがあります。彼らのよくやるコントのパターンは、どちらかが「変」な人です。一見普通の人が2人で話しているかと思いきや、ある瞬間どちらかの価値観に決定的な「ズレ」が発覚し、「共通認識」が崩れて笑いになる、これはジャルジャルならではの笑いのセンス。

 

 

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そんなジャルジャルのコントで特に面白いのは、「変人」と「変人」とがコラボしちゃう回です。

 

こうなると視聴者は完全に置いてけぼりです。そして「変人」同士は、どちらが先に相手の世界観に圧倒されるかの高度な掛け合いになり、「『変』にも度合いがあるんだな」と思わされるのですが、奇跡、たまに、その2人が通じ合ってしまうことがあるのです。

 

 

「あれ、お前、話通じるな。」

「なんかほかのヤツらとちがう。」って。

 

 

あの瞬間は、一種の芸術です。高尚な哲学です。

 

 

 

【こちらはその芸術のひとつ】

「関東出身のツッコミ下手な奴」

 

「『定期的?』って聞く奴」

 

 

 

そして奇跡が生まれる瞬間。

「『定期的?』って言う奴と関西出身のツッコミ下手な奴」

 

 

これはちょっと泣きました。

 

 

ジャルジャルのコントを見ていると、たまにシナモンパンとフレイムの出会った日のことを思い出します。まあそれだけの話です。でもあれは、ちがう2人の人間が同時に救われる瞬間で、ほんとに美しい瞬間なんです。

 

 

 

 

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