環境問題へアプローチするには「啓蒙」か?「行動」か?ここ最近の結論。

 

 

今日、松本市議会議員、青木たかしさんにお会いし、色々話を聞かせていただいた。

 

そして不意に今後の方向性の転換期が訪れた気がするので、そのまとめ。

 

 

 

 

最近、長らく環境問題に関する発信活動について行き詰まり、落ち込んで立ち止まっていた。そのきっかけとなる出来事は主に2つ。

 

 

1. 「私はなにも“していない”」と知った

 

ブログにも書いたとおり先月、県内の某高校にて環境問題について講演させていただいた。

講演会を終えて分かったこと。体験したことしか話せないし、一次情報しか人の心を打たない。

 

その際、一人の男の子からこんなコメントをもらった。「フキさんの活動に参加させていただきたいです!お手伝いできることがあればぜひお声かけください!」

 

そう言われて、はっと、彼を巻き込める活動を何も持っていない自分に気付いた。

あ、わたし、“なにもしていない”

そう知らされた。

 

ヨーロッパでの旅で出会った人々に触発され、環境問題に関して啓蒙活動を始めたのがちょうど一年半前。調べるほど環境問題はその改善に緊急を要していることが分かった。

【*必読*】地球温暖化に対して私たちができること。行動している人が必ずいる。

 

現状を変えるのにはどうしたらいいか。世界は、一人一人の選択でできている。消費活動であれ、選挙であれ、やはり、「人々の“意識”を変えること」だ、と、そこにばかり焦点を当てていた。

 

そこに、私は人に「呼びかける」方法ばかりにアプローチしていた。インスタグラムで、ブログで、漫画で、「人の心」に訴えかけ、「関心」を持ってもらうことばかりが解決策だと思っていた。

 

 

 

行き詰まった。

 

 

 

危機感を煽るだけでは、フォロワーは減る。関心のある人しか集まらない。私のインスタグラムのフォロワーの数は、環境問題に「関心のある」人たちのコミュニティに入っている証拠に過ぎない。そのコミュニティの中だけで自己満足的な発信をする。それが、本当の意味で「世界を変えている」とは思えない自分がいて、次第にその気持ちを無視できなくなってきた。(しかし想いを同じくする人と繋がれるのは、とても意味のあることだった!)

 

 

 

 

2. 塩尻市交流センター「えんてらす」での、環境問題に関する掲示の依頼

 

長野県塩尻市の公民館「えんてらす」では、今年1月を環境月間として設定されていて、交流板「えんぼーど」にて市民の意見を募るべく、イラストと文章を掲示して欲しいと依頼があった。

 

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書いた。でも、納得いかなかった。

 

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自分で書いておいてなんだけど、押し付けに感じられた。「押し付けは人を遠ざけるだけだ」とインスタグラムやnoteの発信でで痛いほど学んだはずなのに、でも、これ以外に「訴えかける」方法が分からなかった。そんな自分に気づいた。

 

 

期間中盤、一回書き直させてもらった。

 

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意見が書かれた付箋が増えていてうれしい。

 

でもたぶん、私の書いているのは、、、もうさっぱり正解が分からなかった。

それで私はいよいよ限界を感じた。

 

 

「啓蒙」することの限界。私は絶対に方向転換が必要だと思った。しかし今回はそのことを気付かされる素晴らしい機会だった。

 

 

 

 

 

思えば私は世界を変える方法に、「言葉」や「絵」しか知らないでいる。しかし一方で、だれかの「言葉」は、誰かが変わる十分な「きっかけ」にはなり得ないんじゃないかと思い始めている自分がいる。

 

よく考えたら私だって「地球を大切に!」なんて言葉は生まれたときから聞かされてきた。しかし私を本当の意味で変えたのは、実際に“行動している”人との出会いだった。

 

 

 

じゃあ、「行動すること」って何だろう?そこで、市議会議員の青木たかしさんにお会いするチャンスが、幸運なことに今、訪れた。

 

 

 

環境問題に関して何をやっているの?と彼に聞かれ、

「啓蒙活動しかできていません。」と答えざるを得なかった。あと、超個人的な活動(通勤中のゴミ拾いや、消費活動を心がけること)。

 

 

「市民が市政に働きかけるのにはどんな方法がありますか?」と青木さんに聞くと、

 

「いっぱいある」

 

とのことだった。例えば、市に請願書を提出する。議会で話題になる。条例が改正される。また、「市民運動を起こすこと」も市政を変える大きな原動力となる、とのこと。

 

「市民運動をしている人は実はたくさんいて、しかしその多くが可視化されていない。」と青木さんは言っていた。

 

 

 

たとえばこの人。

 

私の住む松本市には、城下に女鳥羽川という小さな川が流れていて、蝦名さんは半世紀もの間、たった一人で無償で清掃活動を続けてきた。

 

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1968年5月、蝦名さんは転職で横浜市から松本市に移り住んだ。山紫水明の地のはずが、降り立った駅頭はたばこの吸い殻だらけ。女鳥羽川の流れは濁り、河原にはネズミの死骸やごみ、古タイヤなどが散らばっていたという。

 翌朝から、女鳥羽川の清掃を始めた。作業は早朝の2時間ほどで、範囲は千歳橋から女鳥羽橋までの両岸約500メートル。雨の日を除き年間200日ほど行う。

引用:朝日新聞DIGITAL

 

 

 

 

…こういうことなんだな、と思う。

 

 

 

目的のない行動はあり得ないから、目的のない思考、目的のない感覚に生きている人たちは行動というものを忌み嫌う。思想や論理がある目的を持って動き出すときには、最終的には言葉や言論ではなくて、肉体行動に帰着しなければならないことは必然なのである。

ー三島由紀夫『行動学入門』より一部略

 

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昨夜、この一文を読んで胸打たれた。(行動したいと考えて『行動学入門』という本を読んでしまうあたり、めちゃくちゃ「オイ。」感だけど笑)

 

 

 

「行動」は、自分の信じるところに則っていれば、必ず(自分にとって)善だと私も思う。海がプラスチックで汚れていることに問題意識を持ったなら、川沿いに落ちているプラスチックゴミ一つを拾うか拾わないかと言ったら「拾う」ことの圧倒的「善」なことよ。

 

一番いけないのは、問題があると知りながら、解決策が分かっていながら、抜本的な解決策にはならないと判断して、何もしないでいることだと思う()。意味がないからといって、目の前に落ちているゴミ一つを見過ごすことだと思う。

 

でも確かに、目の前にあるゴミ一つを拾うのは、限りなく無力に近い。だから問題は、どうすればその行動による影響が「最大化」するかというところ。

 

それは周りの人に「認知」してもらって、人を巻き込むことだと思う。力を大きくしていくことだと思う。それにはやっぱり発信が必要だと思う。

 

 

 

とか言って、あれ?「発信」という原点に戻っちゃったけど笑、結局私はまだ、運動を起こすのに具体的な課題が見つかっていない。手を動かす方向が分からない。とりあえず来週の市議会を傍聴しに行って、今後市政をもっと勉強していこうと思う。地域が抱える具体的な課題を見つけていこうと思う。いろんな市民団体にお邪魔させてもらって、市民運動を起こしている人をもっと知っていこうと思う。

 

という独り言。

これ、おススメ本です

 

 

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2件のコメント

Fukiさんはじめまして!
ブログと漫画いつも楽しく拝見しています。

私は環境問題に対して、家で出来る範囲のことには取り組んでいるのですが、最近「これ私一人がやっても何の影響もないし、何も変わらないよね」と無気力になって、「もっと世間が変わってくれればいいのに」と今の社会とか現状に対して愚痴を呟いてるだけでした。

なので今回のFukiさんのブログを読んで、「言葉」で表現するのではなく「行動」で表現すること、そして「周りを巻き込んでいく力」の重要さに改めて気付かされました…。

理想ばっかり思い描いて愚痴るのはやめて、今の自分の気持ちを行動で表現できることがないか、探して頑張ってみようと思います!

Fukiさんのブログや漫画にはいつも元気をもらっています。これからも応援しています!

ここさん
私もそうでした…今でも、ブログで偉そうなことを言っていながら、でも本当は、いろんなことが分からないです…
なんだか最近本当に頭がごちゃごちゃして…
まあ分からないなりに今は言葉じゃなく行動を並べていこうと思ったところです!
想いを同じくする人の存在に本当に勇気づけられています。ここさんにもです。
コメントありがとうございます!またお気軽にお越しくださいね〜^ ^

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