『コジコジ』という漫画をご存じですか?
公民的マンガ『ちびまるこちゃん』の原作者さくらももこが描いた漫画で、同作品は『きみとぼく』(ソニー・マガジンズ)より1994年から1997年まで連載されていました。1997年にはアニメ化を果たしています。

シュールなギャグ、独特の世界観を持ち合わせたこの作品は、「ちびまるこちゃん」よりは認知度は低いですが、ほのぼのとした世界観の中に垣間見えるそのさくらももこ流の「哲学」に、隠れファンは多いです。
とにかく主人公のコジコジがぶっ飛んでいます(笑)。しかしそのコジコジの生き方に、勇気づけられている人は多いはず。
ではこの物語の基本設定、あらすじとともに名言の数々を御紹介します。
物語の舞台・登場人物
物語の舞台は「メルヘンの国」。そこにはいろんな仲間が住んでいます。

この紹介だけで物語のシュールさが伝わるでしょうか笑
主人公はコジコジ。正体不明、性別不明なナゾの生物なのですが、飄々とした物言い、底抜けに明るく吹っ切れた性格が特徴です。
コジコジの名言①
コジコジはある日、学校のテストでー5点という最悪な点数を取ってしまうのですが、その日、先生に呼び出され説教されてしまいます。
「コジコジ、お前は毎日何をやっているんだ。遊んで食べて寝ているだけじゃないのか!」
その時コジコジが言い放った言葉がこちら。

コジコジの代表的な名言の一つですね。私はこの言葉に何度となく救われてきました。
コジコジの哲学に通貫しているのは、「自分自身への期待値を下げた、フラットな生き方」。つまりは、ありのままで良いという「自己受容」。そして「互いの違いを認め合うこと」。
コジコジの名言②
「コジコジ、キミ、将来一体何になりたいんだ?それだけでも先生に教えてくれ…」

真理です。マンガ『コジコジ』は、ほのぼのとした世界観からは想像もできないほど、深みを持ったセリフが多く存在するのです。
コジコジの名言③
「生きるとは?」を問うエピソードの中でコジコジが発したセリフがこちら。

生きるとは、何かを成すためのものではなく、「ただ生きる」ためのものであると。深い。そして救われる。
コジコジの名言④
またあるとき、急に飛行能力を失い落ち込んでいた友人・正月くん。そんな正月くんにコジコジはこんな言葉を投げかけます。

この言葉を聞いて気が軽くなった正月くんは、このあと無事に飛べるようになりました。
コジコジの名言⑤
ある夜、「大王さま」がメルヘンの国にやってきた日のこと。大王さまは、嵐を巻き起こす力を持っており、彼の襲来に、メルヘンの国の皆は恐れていました。
しかしコジコジはそんなこと気にもせず、大王さまに「遊ぼう〜!」と駆け寄ります。そしておもむろに彼の前でおまんじゅうを食べ始め、こう言いました。

コジコジの呑気さに呆気に取られ、大王さまは嵐を起こすことなく去っていきます。
「なんとバカバカしい。ただああやって、まんじゅう食べてるだけのヤツとどうやって戦うというのだ。もう帰る。」
誰よりも平和主義で穏やかなコジコジですが、それは彼の中に「悪」といった概念さえないからなのです。誰が悪で誰が正義というジャッジがない。
コジコジの貫く「生き方」は、どんな場合にも「二項対立」を見出さない、言ってしまえばコジコジはいつでも「フラット」で「中立」な立場にいるのです。だから、大王さまが来た時も、決して彼を怖がったり追い払おうとせず、むしろ彼と一緒に遊ぼうとした。そうしたら彼は呆れて帰ってしまったのです。コジコジの生き様を表す話として、とても印象的な回です。
コジコジの名言⑥
メルヘンの国の悪人・スージーは、三日月の夜だけ美女で善人に、まるで別人のように変化してしまうという性質を持っています。しかしある三日月の夜、偶然スージーに出くわしたコジコジは、一瞬で彼女がスージーだと見破ったのでした。
「なぜ私がスージーだと分かったの?」スージーが聞くと、コジコジはこう言います。

悪いスージーも、いいスージーも同じ「スージー」だとするコジコジ。正と悪とを分けないコジコジだからこそ、「真実」が見えるのだと学ばされました。
『コジコジ』、実はとても深く哲学的なお話なのです。
エピソードもさることながら、コジコジを始めとした個性的なキャラクターたちにも心惹かれます。
以下では、私のお気に入りの名言をいくつかご紹介します。
おまけ名言①:カエルの生き様

「自分とは何者なのか?自分の存在は何かの役に立っているのか?」と悩む人間・ジョニーくんがあるとき出会った、田んぼのカエル達が言った言葉です。
ただ「今を生きている」ことを楽しむカエル達の姿にジョニーくんは感動して、その生き様に惚れ、「僕は実はカエルなんじゃないか?」と、自分の生きる道を見つける、なんとも感動的なエピソードです。私のいちばん好きな話。
おまけ名言②:サラサラの国の人たち

ある日、メルヘンの学校に転向してきた「サラサラ君」が、自分の祖国について話す場面です。カンカンに怒っているスージーとブヒブヒを見て、「そんなんだと僕の国では大笑いされちゃうよ。」と。
サラサラの国では、カンカンに怒る人が誰もいないんですって。サラサラの国、とっても素敵ですよね(笑)
おまけ名言③:ミミズくんの世界観

ある夜、道端でミミズくんと話すコジコジ。ミミズくんが言った言葉です。
さくらももこさんの、どんな小さな命にもキャラクターを作り出したり、物語を見出す、独特の世界観が大好きです。
最後に
いかがでしたか?
1話1話から違うメッセージを受け取れる作品『コジコジ』。そのほのぼのとした世界観さることながら、さくらももこさん独特のユーモアも存分に味わえる作品です。代表作『ちびまるこちゃん』が大衆向けなのに対して、コジコジに含まれるユーモアは、ブラックというかシュールというか、、たまに子供向けとは思えないギリギリのギャグも飛び出すので、なかなか楽しめる作品です。
漫画は全4冊出版されています。
よかったらどうぞ^ ^
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アニメはU-Nextで全話公開していますので、気になる方はぜひ見てみてください!コジコジは嬉しいことに、全101話が無課金で公開されています(2020年5月現在)!私は繰り返し見ています^ ^
U-Nextには一か月間の無料お試し期間もありますので、一度その間に楽しんでみるのもいいかもしれませんね。

以上です。
最後まで読んでくれてありがとうございました^ ^
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