家庭菜園のススメ。ロシアのダーチャに学ぶ、未来のライフスタイル!

 

一年半前…

日本人初の宇宙飛行士、秋山豊寛さんが、宇宙から帰ってきたあとに農業を始めたと聞いて衝撃を受け、「農業」をキーワードに人生を模索し始めた私。

f:id:fuki-bee-stripes:20191123095306p:image

ということで県内で農業アルバイト、そして国内で5ヶ所、ヨーロッパで6ヶ所のWWOOFを経験してきたわけだが…

WWOOF(ウーフ)とは、お金のやりとりのないファームステイ。詳しくは↓

WWOOF(ウーフ)って何? 私がWWOOFを始めた理由ーきっかけは1人の宇宙飛行士ー

 

WWOOF体験記を綴ったオススメ記事はこちら

WWOOF体験記〜総集編2018!〜

 

いろんな経験を経て、結局、「農業」についてどう思うようになった?というところをまとめる時期が来たと思い、記事を書きます。

 

 

結論。

農業とは「生き方」である!

ロシアの「ダーチャ」式農業がめちゃくちゃステキ!!!!!

 

「ダーチャ」についての解説は後にして…

まず。

いろんな農家を見てみて分かったことは、「農業」といっても色んな形があるということ。

 

私は最初、「農業」というと、「職業」としての農業しか知りませんでした。「農業」と携わるには、まず大きな農園に就職するか、新規就農者となるかしかない…って。大規模な農園を持ち、時に従業員を雇い、大型の機械なんかも入れたり…。

うーん、農業参入にはかなり覚悟が必要だなぁ。と。

 

しかし、国内4ヶ所目に行った愛知県でのWWOOFで、この考えは覆されました。そこでお世話になった方は、平日にケーキ屋さんを開き、休日は農業をしていたんです。

主な収入はケーキ屋さんだけれど、農産物の一部は自分の店や道の駅で売ったり。つまり半分農家、半分ケーキ屋さん。このように、比較的小規模に農業を行い、農業以外でも収入の手立てがあるのを「兼業農家」と呼ぶそうです。

 

あっ!そうなんだ!そういう農業のやり方もあるんだ!と結構、衝撃的な発見でした。

 

収入が農業だけにかかってると荷が重いけど、自分の好きな仕事もやり、農業もやってって、いいとこ取りじゃん!こういう生き方もあるんだ!って、憧れを抱きました。

 

f:id:fuki-bee-stripes:20191123095259p:image

 

ちなみに、農業を生活の主な収入源としているのは「専業農家」。農園自体が会社や法人である、大規模な農業です。私たちがスーパーで買う野菜も、地元産の野菜コーナーを除き、ほとんどが専業農家さんが生産したものです。

 

「兼業農家」。これぞ新しい働き方だなあ!!

農業もしつつ、好きなこともする!楽しそうじゃん。オフィスだけじゃない、畑だけじゃない、変化のある働き方!決めた!私も兼業農家になろっと!!

…なんて意気込んでたのですが、色々考え、アドバイスをもらった結果…片手間でやる農業はそうそう儲からない!

と知ることになる…

 

と話すのは、WWOOFでお世話になった、ケーキ屋兼農家の海老原さん。

 

そうです…

今までのWWOOFでも見てきて感じたことなのですが、農業は手間暇がすごくかかっているわりには作物の値段は安く、つまり、農業は一概に“儲かる”職業とは言えないのです。

だから片手間でやる農業ではなおさら収入が期待できるわけではなく、手間や材料費などを考えると、むしろスーパーで安い野菜を買った方が安上がりということにもなってしまうのです。

 

f:id:fuki-bee-stripes:20191123164651p:image

と思い始める私。

 

でもでも。。農業には必ず何かがあるはずなんだ…宇宙飛行士が農家に転向するくらいなんだもん…。どうにかして、農業と関わっていく他の方法はないだろうか…

 

そこで私は、WWOOFを続行するべくヨーロッパに旅立つことに(2019年春)。そしてここで、決定的な出会いをすることになった。

それは何度もこのブログで書いている通り。。アイルランドのサイモンさんの農場で過ごした日々のこと。

 

 

詳しくはこちら↓超オススメ✨記事!!ぜひぜひ読んで!

【*必読*】アイルランドWWOOF体験記。「どうしたら人間は幸せになれるの?」

 

あ、そっか。

ちがうんだ。私の求めているのは、「お金」になるとか、仕事としてどうだとか、効率だとか、そういうんじゃなかった!!

人の「生き方」そのものを探っているんだった!!

 

 

f:id:fuki-bee-stripes:20191125170841p:image

 

忘れられない。あの、採れたてのレタスの美味しさ。

農園で採れた卵とミルクを使って作った、ただのパンケーキの、あの味(何度も言うけどほんとに驚きだった。)

午後にみんなで過ごす長〜いティータイムとそのあとの音楽の演奏。

部屋の中は散らかっているけれど、ろうそくの灯りの反射する壁に、静かにレコードの音楽が溶け込む空間。

 

私はそこに、そのかけらが目に見えるほどにたしかな「豊かさ」や「愛」を感じた。

 

f:id:fuki-bee-stripes:20191124000403j:image
f:id:fuki-bee-stripes:20191124000335j:image
f:id:fuki-bee-stripes:20191124000326j:image
f:id:fuki-bee-stripes:20191124000353j:image

 

そこには、自分の手で耕した土があって、採れたての野菜があって、ほんの横で育った鶏やその卵、大切に育てた牛のお肉を食べていて。

やっぱり、「農業」には何か大切なものがあるんだと確信しました。自分の食べるものとのこの距離感。とてもたしかな、「生きている」ことの実感…。

やっぱり、私は農業と何らかの形で関わっていきたいなあ。

 

それは、効率やお金で語られない、“生き方”としての農業。

専業農家?兼業農家?難しく考えないで、なんかもっと、「農業」との、新しい関わり方はないだろうか…

 

そこで、「農業×ライフスタイル」をキーワードに色々調べて行った結果辿り着いたのは…

ロシアの「ダーチャ」でした!!!

 

 

「ダーチャ」とは…?

(以下、文献『ダーチャですごす緑の週末』(豊田菜穂子・著(2013))より引用、改略して載せます。)

 

ダーチャですごす緑の週末

【中古】 ロシアに学ぶ週末術 ダーチャのある暮らし / 豊田 菜穂子 / WAVE出版 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】

 

ロシアではちょっと郊外に行くともう豊かな自然が広がっている。そこに設けられているのが「ダーチャ」。ダーチャとはいわば「家庭菜園のある郊外の家」のこと。

ロシアでは都市部で一戸建てに住むなんて選択肢は最初からなく、多くの都市生活者は、週末や夏休みになると家族そろってダーチャに繰り出し、菜園で野菜づくりに精を出すという。

なるほど、ロシア人はダーチャを通して、「街」と「農村」を行ったり来たりする生活をしているみたい。

 

f:id:fuki-bee-stripes:20191122154027p:image

 

  ダーチャの規模たるや、およそ家庭菜園の域を超えている。

一般的なダーチャの土地面積は、一区画600㎡。日本式にいえば約180坪!そこに畑を作り、夏じゅう働いて作物を収穫し、長い冬に備えて食材を確保する。さほど家族が多くなければ、冬じゅう買い足さなくても済むほどの収穫が期待できる。

週末が近づくと、ロシア人は気もそぞろ。ダーチャに行こう!ダーチャの時間だ!金曜日の夕方、都市から郊外へと伸びる幹線道路は「ダーチャ渋滞」で受け尽くされる。

モスクワ市民1,000万人のダーチャ保有率は、一説によればなんと75%!

2003年のデータによると、国内3400万世帯の8割が菜園を持つか農業の副業経営を行い、ロシアのジャガイモ生産量の92%をまかなうという。

へえ!ロシア人はナチュラルにみんな兼業農家なんだ!そしてそれを実現するダーチャという場…

 

そして面白いのが、ダーチャでは色んなものが「手づくり」だということ。

彼らはそこダーチャで野菜を栽培するだけでなく、ダーチャの「お家」自体も手作りで作っちゃったりするんですって!

彼らにとってちょっとした日曜大工はお手のもの。「今日はペンキの塗り替えをした」だの、「今日はテラスを改築する」だの「バーニャ(ロシア風サウナ)を建ててひと汗かいた」だの…。ロシア人はダーチャで、職人はだしの技術を日々これ磨いているのである。

「ロシア人とダーチャは切り離せないものです。ダーチャ暮らしは自給自足のためだけでなく、彼らの楽しみでもあります。」

 

食糧生産のため、とか休日のレジャーのため、とかじゃなくて、 もっと精神的なもののためにあるんだ。

そういう「農業」のあり方…

「暮らし」のあり方…

なんか、私が求めているものに近いかもしれない。

 

食べものを「自給」する力、という観点から見ても、ダーチャはロシア人を支える強い力になっているみたいです。こんな記事を見つけました。

ロシア人1人当たりの国内総生産(GDP)は約140万円。所得という物差しからすれば日本の30%程度で、とても「豊かな国」とは言い難い。

ただ、有事の際はどうだろう。もし世界的な気候変動や国際関係悪化などで食料輸入に支障が出たら…。ロシアの場合、1985年以降、何度も経済危機に見舞われたにもかかわらず、餓死者が出なかった。

それは国内3400万世帯の8割がダーチャなどの菜園を持ち、ジャガイモの国内生産の9割、野菜の8割を自給していたからといわれる。

広々とした大地で大規模な農業が繰り広げられる一方で、食料を自給する能力を持つ市民たち。

「ダーチャで体に悪いものを使って食べ物を作る人はいませんよ」。

農薬の使用について尋ねたときのエレナさんの反応に、経済成長だけでは得られない強さ、豊かさの尺度について、あらためて考えさせられた。

西日本新聞Webページ:ロシアの自家菜園を訪ねて 1年分の食料自給自足 野菜、果物…兼業農家並みより

 

「豊かさ」、かぁ。。。。

ちなみに、日本は、農薬の使用の制限がとーってもゆるくて、外国で使用が禁止された農薬もバンバン使っちゃってる、いわば「農薬大国」なんですって。

次世代には使える土が無くなるなんて可能性もあって、これは実はとっても恐ろしい事実。他人事じゃないんです。そんな背景もあって、以前紹介したサキさんご夫婦は、大豆の無農薬栽培に取り組んでいます。

サキさんについての記事はこちら↓

旅をしたら人生「スター状態」になった!旅を終え農業を始めたサキさん夫婦にインタビューしてみた。

 

 

たとえば、こういう農薬の事実を知らない私でも、自分で農作物を作るようになったら、日本の「農業」にも無関心ではいられなくなるはずですよね。。

でも、あまりにも生産と食卓が離れているという現状…

 

地球温暖化。過剰な消費型の生活スタイル。なんだか忙しない社会の雰囲気。。。経済で語られるものだけが果たしてほんとうの「豊かさ」?なーんて議論は山のようにされているのだけれど…

 

現代の私たちに必要なのは、とにかく「ごく普通の生活」と「それを味わう時間」でしかないと、私は思う。

だって、アイルランドで過ごした時間が、あんなにも幸せだったから。。

 

そして、やっぱりそこにあるのはビニールの包み紙じゃなくて土の匂いのする野菜。好きな花の咲く風景。ゆっくり流れる時間。そして緑と、「庭」があるんじゃないかなあ。ダーチャみたいに。。

 

理想を語ればステキに思えるけど、第一、そんな庭を作ったって、お金にはならないよ。そんなDIY遊びににかける時間がどこにある?野菜だって、時間や手間をかけたって結局買ってきた方が安いんだし!

そーなんですよね(T_T)それは。もう。

 

でもでも。

 

「豊かさ」を叶えるために「お金」が必要で、「お金」を稼ぐのに「時間」が必要なら…「お金」を介さずに「豊かさ」を手に入れることから始めてもいいんじゃないの?

なーんて思うけど…まあ、正直、分かんない。

 

 

なにもかもが「効率」で語られない世界。

そこに、「ダーチャ」的な生き方がしっくりくる気がする。

ダーチャ、そこは、ロシア人にとって特別な思い入れのある“地上の楽園”なのだという。木漏れ日の射す白樺林や、見渡す限りの緑の草原。女たちは台所でピクルスを作り、男たちは薪を割ってバーベキューの支度をする。野外のテーブルに並ぶのは、採れたて野菜のサラダや香草を散らした実だくさんのスープ。手づくりの木イチゴのジャムや洋梨のコンポート。夜になれば大きな空に無数の星がまたたく。

ダーチャ精神の反意語のひとつは「タイム・イズ・マネー」だ。一分一秒を惜しんでせかせか働き、時間を節約するためにお金を使うなんてもってのほか。

お金を節約するために時間を使い、悠長に働こう。

モノを自分の手でつくる。使えるものはとことん使う。壊れたら直す…。こうした行為を「面倒」と思わず、「楽しい」と思うのがダーチニキ。時には失敗もあるだろうし、ひょっとしたら買った方が安い場合だってあるだろう。

でもロシア人は手間暇かけることに意味があると考える。

手間暇かけることでしか手に入らないもの。それは例えば、安心して食べられる野菜、創意工夫する楽しさ、体を使ったあとの清々しさ、手に技を持つこと、そして何よりも達成感…。

「生産」の喜びを知らずして「消費」の快感に浸るなかれ。ダーチャ暮らしはそう教えてくれる。

『ダーチャですごす緑の週末』(豊田菜穂子)より

 

細かいことは分かんないけど…

ダーチャ、めっちゃカッコよくないですか!!!!

 

ということで。新しい目標が見つかりました!

わたし、ダーチャ始めます!!

 

といっても私は大きな畑を持っているわけではありませんが…。本にこう書いてあったのが目に入ったんです。

『ダーチャですごす緑の週末』(豊田菜穂子)より

私たちがダーチャ暮らしに魅力を感じるのは、郊外に土地を持つという所有欲をそそられるからではなく、自然や土と親しみ、野菜やモノを作り、自分の潜在能力を試してみることに惹かれるからではないか。だとしたら、ダーチャという「形」にこだわることにはあまり意味がない。

肝心なのは“ダーチャの心”。日本でも数十年前まで当たり前のようにしてきた「生きるための基本的努力」を、暮らしの中でほんの少しでも意識を持って、そして楽しく試みたいと思うのだ。

 

そっか、肝心なのはダーチャの心。それに幸い、私は都会に住んでるわけじゃないので、今住んでる実家に小さな庭ならある。

なにも畑を借りて耕さなくったっていいわけだし、自分の家をダーチャにしちゃえばいいんじゃない?と思い立つ。

ダーチャが生き方そのものなら…それが小さな庭から始まってもいいはず。田舎でなくったって、農業と関わる生活は叶えられるはず。

たとえばこんな街の風景。ひとりひとりがちょっとしたダーチャを作ってる未来。

 

f:id:fuki-bee-stripes:20191128194804p:image

(ふむ。なんか、一周回って最先端だなあ。)

 

たとえば、日本人が、総国民 兼業農家!みたいなのって超カッコよくないですか(笑)

自給率爆上がり!ほんとの意味でひとりひとりが「生きる力」を持つ民族、なーんて…

 

f:id:fuki-bee-stripes:20191128171225p:image

 

てことで。

どうなるかは分かりませんが、やってみます!

 

*・゜゚・*:.。..。.:*・’・*:.。. .。.:*・゜゚・*

最後まで読んでくれてありがとうございました!

またブログに遊びに来て下さい^_^

 

最後に私の好きな言葉。

*・゜゚・*:.。..。.:*・’・*:.。. .。.:*・゜゚・*

ああ諸君はいま この颯爽たる諸君の未来圏から吹いて来る 透明な風を感じないのか

ー宮沢賢治『生徒諸君に寄せる』より

*・゜゚・*:.。..。.:*・’・*:.。. .。.:*・゜゚・*

 

Twitter、Instagramでブログの更新をお知らせします。ブログは不定期更新のため、どちらかのフォローをおすすめしています。ぜひ^ ^

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です